2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イタリアへの切符

突然の轟音とともに煙に包まれる体 いったいどうなっちゃうんだ俺ー!! 「いてて…」 ここはどこだ…? 暗い色のカーペットの上に着地した獄寺は周りをきょろきょろと見渡した。 あめ色の光を放つ照明に、なんだか実家にありそうな高級な調度品の数々。 俺は…

もうどれだけの時間がたちましたか?

そろそろ、伝えてもいいんだろうか。 過ちだと思ってたのは過ちじゃなかったって。 嫌だなんて、微塵も思ってなかった。 寧ろ、離れることが嫌だった。 あの頃の自分の世界なんて、守るものなんて、君しかいなかった。 強い独占欲をいかにして隠すことが一番…

N nectar (10 years later)

「じゅーだいめっ!」目の前の大きな机にいるはずの十代目を呼んでみた。 机の上は、どうしたらこうなるのかというほどの未処理の書類が山積みになっている。 だから十代目がいても、埋もれていて見えなかった。 しばらくして、なーにー?という間の抜けた声…

「優しくなんかないよ」

吐いた息は白く、露出した肌がところどころ赤くなっている。 外は銀世界。 朝一番の冷たい空気をまとった獄寺は、目の前の扉が開くのを待っていた。「ご、獄寺君!こんな寒いのに待っててくれたの?!」 「おはようございます!十代目っ」玄関からとび出てき…

rain of love (10 years later)

瞼にそっとくちづける。 十代目は瞼に、目に、キスするのがお好きみたいだ。 最初は唇からが多いけど、気づけばいつも、欠かさずそこにキスする。 「獄寺君。目、開けて」 瞼にキスされるといつもくすぐったくて閉じてしまう。 これもお決まりのセリフだ。 …

君がいなくちゃ意味がない

時間がたつのはあっという間。 テーブルにシャーペンを置いた綱吉はそう思った。 かれこれ2時間ほど前に宿題を教えてもらうという口実で獄寺の家にきたのだ。 若さゆえなのか、顔をあわせれば他愛もない話でもりあがってしまう。 宿題はなかなか進まず、と…