rain of love (10 years later)

瞼にそっとくちづける。
十代目は瞼に、目に、キスするのがお好きみたいだ。
最初は唇からが多いけど、気づけばいつも、欠かさずそこにキスする。
「獄寺君。目、開けて」
瞼にキスされるといつもくすぐったくて閉じてしまう。
これもお決まりのセリフだ。
この後に来るセリフも。
「獄寺君の瞳、綺麗だよね」
俺がゆっくり目を開けると、じっと見つめる十代目の顔。
宝石みたいだ、俺がもらっちゃってもいい?と、十代目がおっしゃったので
俺は十代目の背中に腕を回して、こう答えた。
「俺は全部、あなたのものです」
「うん。じゃぁ俺も全部君のものだ」
そして、また瞳を閉じた。





いつ終わるかわからないこの時を、互いに確認しながらつないでいくなんて。
ひとつになれないから、隙間が無いくらい抱き合っていたいなんて。






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頭がおかしいんじゃないか(私が)