君がいなくちゃ意味がない

時間がたつのはあっという間。
テーブルにシャーペンを置いた綱吉はそう思った。
かれこれ2時間ほど前に宿題を教えてもらうという口実で獄寺の家にきたのだ。
若さゆえなのか、顔をあわせれば他愛もない話でもりあがってしまう。
宿題はなかなか進まず、とうとうこの時間になってしまった。

獄寺は下の自販機で何か飲み物を買ってくると、ついさっき出て行ったきりだ。
こういう風にひとりになって、綱吉はふと考えてしまっていた。
いつも獄寺君につき合わせちゃって悪いな…
獄寺君は優しいから甘えちゃうけど、それって

「十代目、お待たせしました!」
十代目だからなのかな。

「ありがとう、悪いね」
「いえ。オレが好きでやってるんですから」
十代目は気にしなくていいんですよ、と綱吉にジュースを渡す。

たとえば、将来オレが十代目じゃなくてただの沢田綱吉になっても
獄寺君に一緒にいてくれる?って言ったらそうなるのかな?
なるだろう、彼はきっとにっこり笑ってあたりまえじゃないですかって言うんだ。

きっと近い未来にそれを選択する日がやってくるんだ。
そのときオレはどっちをえらぶんだろう…。


獄寺君がほしいがために十代目を選ぶんだろうか。






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最近めっきりリボーンしか考えられなくなったこの頭をどうにかしたい