イタリアへの切符

突然の轟音とともに煙に包まれる体


いったいどうなっちゃうんだ俺ー!!


「いてて…」
ここはどこだ…?
暗い色のカーペットの上に着地した獄寺は周りをきょろきょろと見渡した。
あめ色の光を放つ照明に、なんだか実家にありそうな高級な調度品の数々。
俺はなんでこんなところに…
たしか、今日も十代目の家に来て十代目と今日の宿題をしてて
宿題が一段落して十代目が飲み物を持ってきてくださるって部屋から出て行かれて
そしたらランボが
「十年バズーカ!!」
そうだ、俺はランボの十年バズーカにあたったんだ。


ってことは、
「ここが…十年後…?」
「そうだよ」
「!」
いきなりかけられた声に、瞬時に振り向くと暗い部屋の向こう側から、知ったような顔が現れた。


「十代目…?」
「そうだよ。いらっしゃい、獄寺君」
現れたのは十年後の綱吉だった。
十年後の綱吉は髪を少し伸ばしていて、黒いスーツがよく似合っていた。
それに、見違えるようにかっこよくなったな…と獄寺は思った。
獄寺が綱吉に見惚れていると、綱吉が急に距離を縮めてきた。


「そういえば十年前に獄寺君、赤い顔して帰ってきたことあったなぁ」
「!」
赤い顔?!なんでだ…?!
ねぇ、獄寺君、と綱吉が自分より大分小さい獄寺の背中に腕を回す。
「じゅ、十代目…」
普段の十代目なら絶対こんなことなさらないのに…!
獄寺は恥ずかしさを隠すために下を向いた。
「もうすぐ5分たっちゃうね」
寂しいなぁ、と十代目がこぼした。
その声があまりにも悲しそうだったので、思わず獄寺は上を向いた。
とたん、優しいキスがふってきた。
「じゅ…」
「十年後の君はキスが上手くなってるよ」
じゃあね、と十代目が言ったとたん、俺が驚く暇あたえずに十代目の腕の中から景色が変わった。


「ごくでらくん!」
煙に包まれて俺が目を開けると、そこにはさっきより幼い顔の十代目がいた。
「俺、戻ってきたんスね」
よかったぁー、とため息をつく。
「大丈夫だった?なんか、顔赤いよ?」
「!だっ、大丈夫です!!」
ならいいけど、と十代目が真正面から俺を見る。
そんなに近いと思い出してしまう!!
「な、なんでもないですから…」
はやく続きやりましょう!!と促す。


その後の俺は十代目の視線から逃れることに精一杯だった。





―――――
十年バズーカで十年後に行った獄寺君。
十年後のツナ様にからかわれてドッキドキ。という話。
あー、もっと獄寺君をドキドキさせたい!
十年後ってサイコー!(*´∇`*)