陽だまりの中に悪魔は居た 6918(10 years later)


寝てる…


ボンゴレの屋敷に久々に来た僕。折角僕が来たっていうのに綱吉は外出していた。仕方ないから屋敷の周りにあるよく整備された庭に足を運んだ。屋敷の中は群れた小動物でいっぱいだからね。庭に出て、暫く歩くと木の影から何か伸びてたから、気になって近寄ってみた。そしたら寝てたんだ。六道骸が。本当に寝てるのかわからないけど、以前より伸びた髪をひとつに結んだ彼は腕を組んでずいぶん気持ちよさそうな顔をしてた。
僕の好奇心が彼の頬に触れようとした。


「こんな昼間から夜這いですか?」
「…起きてたの」
「まぁ、あなたの気配はわかりやすいですからね」
クフフ、って気持ち悪く笑った彼は、僕の了承なく僕の腕を引っ張って自分の胸に倒れこませた。僕が非難の眼差しで見上げると彼はいつにもまして笑顔だったから、ちょっとむかついた。
「今日は何しに来たのさ」
「あなたが来ると聞いたもので」
「…何言ってるのさ」
「お気に召しませんでしたか?」
「最悪だよ」
僕は彼に全体重をかけてやるつもりで身を預けた。そしたら君は僕の髪に触れて撫でる。すみません、だって?謝るくらいなら最初から変なコト言わなきゃいいじゃない。…なんだか、甘い香りがするな。
「…なんか、甘い」
彼の服からかよくわからないけど、甘いいい香りに僕は気づいた。
「クフフ、僕に酔ってるんですか?」
「ばかじゃないの」
「心外ですね。でもあなたのことに関しては僕も平常ではいられない、とは思いますけどね」
僕はあなたに興味があるんですよ、って耳に囁かれた。この甘い香り、これもこの男の計算の内なんだろうか。幻術でもかけられてるんだろうか。でも良い匂いだ。このままでも悪くは無いかな。眠いし綱吉は来ないし。少しくらい。そうおもって僕は彼の腰に腕を回す。
「おやおや、今日は積極的ですね」
「うるさいよ」
黙ってこのまま静かにしてなよ、じゃなきゃかみ殺すよ、と言うと彼ははいはい、と言ってまた目を閉じた。


知ってたよ、甘い匂いが桜の木で
その下に君がいることも





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だめだ…6918わかんなくなった…!かなり不完全燃焼…