éternel (10 years later)

俺はこの人と一緒になってから常々考えることがある。それは永遠の時間。永遠の命。彼とずっと一緒にいられればいいといつも願うが、それは俺や彼が望まなくともあっけなく訪れるかもしれない。ましてや死と隣り合わせの日々を選んでしまったのだ。永遠なんてすぐに消えてしまうかもしれない。
そんなこと、彼と体を重ねているときに考えるようなことじゃないが。でもこんなときだからこそ、考えてしまうのだ。彼に愛されるたびに愛しさで息をするのにも苦しくなる度に。この愛しい瞬間を手放してしまいたくないと。呼吸することすら惜しい程、彼を感じていたいと。そんなことは、まだ少し余裕のある内だけなのだが。何もかもめちゃくちゃにされてしまってからは、彼からひっきりなしに与えられる愛しか分からない。
「隼人、なに、考えてるの?」
「つなっ…よ、しさんは、考えたこと、あります?」
「何を?」
「えいえん、の、いのちを…」
彼は俺の首から離れ、拍子抜けしたような顔で俺を見下ろした。そんな、ありもしないような事考えてがっかりされたかな。でも俺は願わずにはいられない。彼の最後なんて考えられないから。手に入れたものが零れ落ちていくなんて。
「うん。あるよ」
「ほしい、ですか?」
「いや、いらないな」
彼は俺とずっと一緒にいたいと思っていないんだろうか。急に離れていくこころが自分のものでないような感覚にどうすることも出来ない。
「なんで…?」
「これ以上望んだら罰があたりそうだから、かな」
「ばつ?」
「君を手に入れるだけでも俺にはもったいない位なのに、これ以上望めないよ」
そんなに自分はもったいないとか言われるようなものじゃないと反論したかったが、苦しさとは別の意味で締め付ける胸が痛くて言葉が出なかった。さっきより熱いのは気のせいじゃないはずだ。こんなに大切に想われて。俺は何を返してあげればいいんだろう。


「だから最後まで、俺の傍にいてください」


はい、という言葉の代わりに誓いのキスを送った。


永遠の命なんていらない
最後の一瞬まで、俺の傍にいてくれれば
それでいいさ


永遠の命よりも
最後の一瞬まで、あなたを独り占めしていられれば
生まれ変わってもまた会えるかもしれない









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昨日よりマシだ。しかし若干エロいな…R15くらいですか?あ、リボヒバって略語表記だとR18なんですね…!でっかいすごいです!感動だ…。永遠の命よりも、隼人を最後まで自分の手元に置いておきたいよ。それに終わりのない世界より、先の見えない世界のほうが楽しいと思う。
ひさびさの10年後2759でした。