黄色の声に圧されながら (about 5 years later) R27

抱きしめたその体はあったかくて、やわらかくて、ほんとに子供だった。


出会った時は赤ん坊で、肩に乗るくらい小さかったリボーンは、数年経つとだいぶ大きくなった。俺も背が伸びたから差としてはあまり変わらないが、それでも大分成長しているんだと思う。隣に立つと、今じゃ俺の腰の高さあたりにレオンの乗った帽子が見える位だ。ランボはそれよりもう少し大きくて、あの頃のフゥ太くらいだ。そう思うとランボは大きくなるのが遅かったなぁと思う。
さて、そのリボーンですが、現在俺の腕の中にいます。
いつからだろうか、最近よくリボーンを抱っこしている気がする。以前はこんなこと無かったんだけどな。むしろ昔はランボを抱っこしてたような気がする。リボーンもあのときのランボと同じ歳になったから、抱っこされたい年頃なんだろうか?とにかく俺は学校帰りに鞄も持ってるのにリボーンを抱っこしている状態で帰路についている。当の本人といえば俺の腕の中でぐっすり寝ている。眠いんだったらわざわざ学校まで来なくてもいいのに…。もうあの頃の俺とは違うんだ。そりゃ今でもダメなところは結構あるけど…、自分で言うのもなんだが大分逞しくなったと思う。


「つーなぁー!」
「あ、ランボ」
道の向こうから牛柄のパーカーを着た男の子が走ってくる。もちろんランボだ。昔より随分おとなしくなった(大人に憧れてるみたいだ)でもまだぶどうやあめ玉は大好きだ。もうすぐ10歳になるというのに甘えん坊だ。
「ツナおかえり〜。ランボさん迎えにきたんだよ!」
「ただいま。ありがとう」
「…リボーン、寝てるの?」
「ん?ああ、そうだよ」
「ふーん…」
ランボは俺に抱っこされて眠っているリボーンが気になるみたいで、ちらちらと伺いながら隣を歩いている。よそ見してると転ぶのに…。
「やめとけよ、寝てるときに触ると殺されるぞ」
「くぴゃっ」
家でもリボーンは俺の膝に頭を乗せて寝ていることがあるが、そんなときでもランボが間合いに入れば容赦しない。今なんて家の外なんだから間合いはもっと広いはずだ。隣に歩けるだけでも凄い。きっと範囲内なんだろうけど、ランボが何もしてこない限り大丈夫だと思う。リボーンだって静かに惰眠を貪りたいんだろう。
しばらくちらちら見ていたランボだが、今度はよく見る"いいなーと思っている顔"になったように見えたから俺は本人に聞いてみた。
「ランボも抱っこしてほしいの?」
「ぇっ?!え、ちがうもんね!も、もうそんな子供じゃないんだから!」
「そうかそうか、ごめんね」
俺は笑みを隠せなくてランボに何度も、ちがう!とたしなめられた。が、これはきっと羨ましいんだろうな、と思って家に帰ってリボーンを降ろしたら抱っこしてやろうと考えていた。その間にもランボは、オレっちはもうオトナなんだからな!と俺にオトナ宣言していた。
そのときだった。
リボーンの俺の首に回された腕の力がちょっと強くなったのは。
だから、俺もちょっとだけ、そっと、ぎゅっと抱きしめ返した。


返ってきたのは、そのあたたかいぬくもり。









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リボーンが精神的に子供になってしまうのなら、こんなことあってもいいよね?と思って。呪いのことは色々考えてますが、これもそのひとつですよね。呪いで小さくされちゃってまた子供からやり直しパターン。子供になると必然的に甘えたくなってしまう、みたいな感じの…まぁ、捏 造 で す よ!深く聞かれても困る。ランボはリボーンがツナにべったりで嫉妬してる。オレっちもツナに抱っこしてもらいたいのに〜〜!みたいな。
そんなR27←Lいいな…!