Una promessa dell'eternità (10 years later)

紅い夕日は眠りにつき、夜の街が始まる頃。
ボンゴレの屋敷のとある一室では何やら緊迫した空気が流れていた。


「―――というわけだ。」
部屋に若い男性というよりは男の子の声がした。黒いスーツを身にまとう彼は凄腕のヒットマンとして有名なリボーンだ。今はドン・ボンゴレの補佐としてこの屋敷にいることが多い。部屋には他にも何人かの男がいた。今度は男の子ではなく男性と言える人間ばかりだ。
「敵は申し分ない程にやっかいだ。油断するなよ」
「わかっていますよ、全員呼び出すなんて余程のことですからね」
リボーンが全員に視線を走らせると、クフフ、と南国フルーツを思わせる奇妙な髪型をした男性が発言した。この部屋にはボンゴレファミリーのボスである沢田綱吉とその家庭教師であるリボーンをはじめ、守護者と呼ばれる人間が全員集まっていた。滅多に全員集合することなど無いのに。綱吉はワクワクしたような表情のままの男に困った顔でたしなめる。
「骸、くれぐれも計画通りに頼むよ」
「ええ、勿論。あなたがそう望むなら」
「話は以上だ。明日の朝までしっかり休んどけ」
リボーンの声で守護者達はそれぞれ部屋を出て行った。残ったのは部屋の主である綱吉とリボーンと獄寺だけだった。やがて書類をまとめ終わったのかリボーンも綱吉に明日のことを再度確かめさせるように少し言い残すと部屋を出て行った。




***




部屋には俺と隼人だけが残った。隼人はさっきの会議のときから何だか辛そうな顔をしてた。原因を知っている俺はソファにかけたままの隼人の隣にどかっと座った。隼人は俺のほうに顔を向けたけどやっぱり、いつも俺に見せてくれる笑顔じゃなかった。
「隼人、もう決まったことなんだ。それにそんなに…」
「でも!十代目!」
俺の言葉をさえぎった隼人は、今にも泣きそうだ。ああ、君を泣かせるためにこの計画を立てたわけじゃないのに。むしろ君と生きるための未来のために、この計画は成功させなくちゃならないんだ。俺は隼人を説得させることにした。隼人の肩に手を置くと、少しだけ震えているような気がした。
「大丈夫。囮っていってもたいしたことはしないんだ、それは隼人だってわかってるだろ?」
「…はい。でも俺、心配なんです」
あなたを失いたくないんです、と言ってくれるこのエメラルドの瞳に嘘は無い。俺のことを本気で心配してくれているんだ。でも大丈夫さ。俺だってまだまだ生きて君と一緒にいたいんだから。だから言うよ。
「…それに…」
「それに?」
「確かに俺は守護者のみんなに守ってもらってこの屋敷にいれば長生きできるかもしれない。でもそんなんじゃボンゴレのボスになった意味が無いからね。君に俺の右腕になってもらった意味も」
「十代目………」
ね?、と付け足すと隼人は納得してくれたみたいで、わかりました、と悲しい仮面を外してくれた。
「だからさ、俺にもカッコいいところ見せさせてよ。隼人が惚れ直すくらいの」
「……っ」
にっこりと笑って俺が言うと隼人は真っ赤になって下を向いてしまった。俺の右腕はなんて可愛いんだろう。明日は朝から計画があるのに今から食べちゃいたいくらいだ。そんなことしたら守護者が一人欠けて、俺はリボーンに消されるだろうからやらないけど。今はキスだけで我慢しよう。


この世界で生きていくにしろ、どこにいても生きている限り、不老不死でも無い限り、死は必ず訪れる。だけど最後の一瞬まで俺は君と生きるために足掻いてみるよ。最後まで君といれば、生まれ変わってもまた君と―――









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あてもなく書いているうちに見つかる終焉。これはきっと萌えの神様が与えてくれてるに違いないね(´∀`)