ずっと俺の生徒でいてほしい、…そんなのはただの我儘 (10 years later)2759前提R→27

げしっ!


「ってぇ!!」
「ニヤニヤしてんじゃねぇ、気色悪ィ」
ボンゴレの屋敷にも春の陽気が近づいてきた。それは気候だけでもなく、俺が今蹴ったボスの頭にもだ。どうせまた獄寺のことでも考えてたんだろう。
「リボーン…何も蹴ることないじゃないか…」
「だまって仕事しろ、ダメツナが」
「ダメツナってゆーな!」
ったくもう、と蹴られたところをさすりながらツナは仕事に戻ったが、この春の陽気よりも春らしい沸いちまった頭はどうにかしなきゃならねぇ。どうにかしねぇとボンゴレがやばい。俺は11歳の頭をフル回転させながら考えた。すると、また―――


ガンッ!
ガシャッ!


ツナの飴色の髪がはらはらと絨毯に舞い落ちる。彼の背後の窓には鈍い音を立てて(防弾だからな)弾が貫通せずに残った。
「なっ…なっ、なっ……」
俺が撃ったんだから死ぬようには撃ってないが、それでもツナは間抜けな顔をして口をパクパクさせている。
「仕事しろって、言ったのを、もう、忘れたか?」
俺はゆっくりと笑顔でツナに問う。彼は今撃たれたことの恐怖で返事も出来ないんだろうか?そんなやつに育てた覚えは無いが。


バンッ!


「大丈夫ですか!!十代目!!!」
ノックもせずに、ボスの部屋に入ってきたのは犬、というか獄寺だ。10年経っても相変わらずツナにべったりだ。いや、前よりも酷くなったな。酷いと一日中ツナとべったりだ。
「は…隼人…」
「リボーンさん!いくらなんでも十代目を撃つなんて…!」
「うるせぇ、こいつが仕事しねぇのが悪いんだ」
一瞬にして状況を理解した獄寺が俺にはむかってきやがった。
「十代目、お怪我はありませんか?」
「う、うん。大丈夫だよ」
ツナの野郎、嬉しそうな顔しやがって。全然反省してねぇな。…まぁいいか、ここは獄寺に任せとけば仕事が終わらないってことはねぇだろうし。
「チッ…オイ、獄寺」
「はい!なんですか?リボーンさん」
「俺が帰ってくるまでに、ツナにそこの仕事終わらさせとけよ」
「なっ!どこ行くんだよリボーン!!」
「お前には関係ねぇ」
「わかったな?獄寺」
「はい!」
ごちゃごちゃ言うツナをあっさり無視して俺はボスの執務室を出た。


きっとこれでいいんだろう。そう思いながら。
俺が必要でなくなればいい。俺を呼ばなくなればいい。
そうしたらお前は―――









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2759前提のリボ→ツナになっちゃった。