ただ一つ俺の恐れる事は、貴方に捨てられることだけ。 (10 years later)

終わりはいつか必ず来る。それがひとつの生きている証でもある。人間という限りある命を持つ生き物に生まれたからには、必ず通らなければいけない終末。そしてそれは命だけではなく、物事にも同じように適応される。今着ているスーツだってあと何回か着たら寿命が来るかもしれない。お気に入りのカフェだって自分が生きている間に閉店してしまうかもしれない。
そしてこの恋も。
いつだって終わりは必ず来る。十代目に恋し、恋されたこの初恋。初恋は実らないなんていうけれど、俺はちゃんと実ったし、これからもあの人と一緒にいるんだろうという根拠の無い自信がある。それこそ彼が自分を愛していないんじゃないか、なんて考える余裕も無いくらいに。若いときは散々揺らいだ彼の愛はもう俺のものだって、ちゃんと理解していることでもあるし。彼の愛を疑うなんて、信じられないなんて、もう今の俺には考える必要なんて無い。
でもそんなときに尊敬するリボーンさんから言われた一言。


「お前らだって、いつか別れるんだろ?」


別れる?俺と十代目が?
それはつまり、恋人兼右腕じゃなくて、ただの右腕になるってことか?
それとも右腕でもない何か?
もう彼の傍にはいられない?
彼を愛することは許されない?


この恋が終わってしまったら俺はどうするんだろう。





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続かせる予定